弊社では毎四半期に各業界のトレンドに沿った冊子を配布しておりますが、今回はV2X、自動車と通信機能がテーマになります。
ご存じの通り、先進国を中心に、いわゆるCASEという自動車トレンドに関連した事業開発が各国で勢いを増しています。このトレンドを簡単に解釈すると、未来の自動車はこれまでと比べて、「知能化」が進んでいくと想定しています。そして「知能化」は2つの要素に切り分けて考えることができ、それがAutonomous (自動運転)+Connectedであると思います。今回の特集はそのうちのConnectedを中心に取り上げております。
さて、Connectedは自動車をどのように変えるのでしょうか。例えばTesla社をみてみますと、Over the Airという自動車ファームウェアのアップデートにより、自動運転の機能追加であったり、地図データの自動更新、E-call(緊急時通信)等サービスなどがこの技術を土台として、すでに実現しています。
これからは5Gの発展、つまり通信の大容量、低遅延、大量接続化に伴い、SNSやエンターテイメント、レストラン情報、電子マネーの情報なども取り込みも進んでいくはずです。電気自動車であれば車両がインフラと通信し、自動充電を完了するようになどもユーザーへの価値に繋がります。上のような具体例からもわかるように、Connected技術は未来の自動車が新しく顧客へ提供する価値の大部分を担うことになると考えています。
Connectedを実現する電子コンポーネント
Connectedを電子部品レベルで見てみようと思います。構成部品としては、いわゆるCentral GatewayやTCUと呼ばれるユニットが中心となります。各結線は以下のような構成になっており、通信によって得られた情報を社内の各システムやHMI等へ送信する仕組みになっています。
NIのConnected 領域における取り組み
Harman社はTCU業界でシェア世界第3位の企業ですが、NIについて、以下のような感想を持たれています。
「BluetoothからWi-Fi、GPS、携帯電話にいたるまで、複数のワイヤレステクノロジをすべてNI Wireless Test Systemを使用した同じ装置でテストしました。NIテストシステム とNOFFZ社が持つRFテストエンジニアリングの専門知識によって、テスト時間とテストシステムを起動するまでの時間を大幅に短縮することができました」
HARMAN/Becker Automotive Systems GmbH、製造テストエンジニア、
Markus Krauss氏
上にもありますように、TCUユニットに求められるプロトコルは多く、規格そのもののアップグレードも発生、それだけでなく各機能が同調して動作している必要があります。そのためテスト設計者の視点から見ると、計測内容の柔軟性、将来の標準規格に対応していく、(投資の続く)プラットフォームを選択をする必要があります。 以前こちらの記事で紹介しましたように、NIではモジュール式の計測システムを採用しており、 PXIプラットフォームと自由度の高いテストシステムを構築できるLabVIEWソフトウェアの組み合わせにより,従来の箱型計測器に比べてより拡張性・保全性能の高い自動テストシステムを構築することが可能です。
PXIの各種プロトコル対応
また本冊子の事例の数多くは弊社だけでなく、パートナーと呼ばれるLabVIEWのエキスパート企業と手がけております。NIは世界中に高い専門性を持つパートナー企業ネットワークを有しており、自由度の高いプラットフォームを用いて、例えばマツダ社の事例にも見られるような特殊性を持たせたシステムの構築も可能となっています。こうしたツールを活用いただき、テストの効率化、ひいては製品上市の短縮により資源を節約し、投資による競争力向上へつなげていただければ幸いです。 なお、本冊子ですが、過去のものはこちらからダウンロードできますので 自動車業界にかかわる方はぜひ、情報収集の一環としてご覧ください。
【過去資料ダウンロードリンク】
※最新号は現在のページに添付してあります。
https://www.ni.com/ja-jp/innovations/automotive/automotive-journal.html