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【LabVIEWとIoT】世界で勝つ!50%の業務効率化手法とは?

弊社は世界40カ国以上で製品展開をしていますが、その中で近年高い注目を浴びているのがデータとの向き合い方です。思ったよりも意識が向いていないデータ管理。ここにアプローチすることで50~90%の時間効率化に成功した事例も出てきています。収集したデータから有効な意思決定を如何に早く行うか、今回は事例も含めて製造業におけるデータ管理手法をお届けします。

 

【背景】

IoTトレンドとセンシング技術の発展が、この10年で30倍のデータを生み出しました。こうしたトレンドが従来では考えられなかった種類・質のデータを収集、構造化と蓄積、解析を可能にしています。またデバイス自体のCPU性能の向上や5G等の通信技術の発達により、データ分析の知見をリアルタイムに得られることさえ可能になってきています。

 こうした背景もあり、最近ではデータサイエンスという言葉をマーケティング分野だけでなく、製造業で聞くことも多くなりました。データサイエンスで解決できる問題の一つの例としてはKKD:経験、感、度胸といった言葉で片付けられていたノウハウ(暗黙知)を定量的に表現できるようになることが挙げられます。例えば生産した製品の微妙の品質の違いを判別できるなど。

とはいえ、まだまだ日本国内の書籍やセミナーなどに目を向ける限り、製造業に従事する方に向けてデータの分析の手法が浸透が広く活用していないのが現状かと思います。

 

製造業におけるデータサイエンスの基本姿勢は

マーケティングのための課題探索型(問題や面白い気付きはどこにあるのか。見えない結びつきを探る)

のデータサイエンスとは異なり、現場の抱える課題を事前に明らかにしておく必要があります。

具体的にステップとして表すと

 

1.問題(課題)の特定

2.課題に対して何が判明すれば解決するのか仮説を立てる

3.それを説明するデータはあるのか確認する

4.ない場合、データの種類、品質、数量を増加させる

5.データの解析を行い、インサイト(気づき)を得る

6.気づきを問題箇所に適用する

7.課題が解決しない場合 2に戻る

 

となります。

この工程をどれだけ早く回していくか。それが変化の激しい業界では特に重要な課題になります。

またもう一つ重要なポイントは大きな目的をもつことであると考えています。

言い換えれば、最終的な目的であるKGI(重要目的達成指標)

KPI(主要業績評価指数)にデータ分析が紐付いている必要があります。

この部分をないがしろにすると時間の浪費になりかねません。

なぜなら実際に担当者が一生懸命手を動かしデータを分析して納得したとしても活用先がなくなるからです。

なぜデータ分析をする必要があるのかを抑えていると分析している担当者は迷わず、社内での活用先も増え結果としてプロジェクトの成果に繋がっていきます。

 

 

【NIが提供するソリューション】

それでは弊社NIはデータ収録・分析で何を提供できるのでしょうか。

以下の図はものづくりにおけるデータの流れを下流から上流まで図に表したものです

1.png

 

 

①データ収録部分のNIのメリット「カスタマイズ性」

さきほど述べました、重要課題や目的は業界や部署、工場単位で大きく異なってきます。

例えば持っている設備も違う。既存の設備やサーバーとの通信が必要。センサの数を増やしたいかもしれない。データセキュリティの問題からクラウドにデータを出せない。等々。そんな課題に対して必要なデータをフレキシブルに収録、解析するために最適なプラットフォームがNIであるといえます。実はハード屋として強みがあり、AEセンサの様な高速の振動データ, 様々なプロトコルやカメラなど、業界でも最大水準の多様な信号を収録可能です。また収録した大量のデータの解析をデバイス上で行いデータの爆発を防ぎながら意思決定を行うことが可能となっています。2.png

 

 

②データ解析のメリット:

なぜたくさんのデータがあると良いのでしょうか。大量のデータ、平均値のばらつきをとった標準偏差はサンプルサイズに対し平方根を取った分だけ小さくなります。したがってデータの規模が大きいほど、平均値は安定します。しかし、問題としてデータの取得や解析には当然時間がかかります。ピークや周期、他データとの比較を行って気づきを得たくても、エクセルでは当然スピーディに対応できなくなります。そこで弊社ではDIAdemというデータ解析ソフトをリリースしています。最大20億行のファイル読みこみデータマイニング(高度なデータ検索)、数百種類の様々なメーカーの拡張子データも受け付けます。データをSQLODBCASAMODS他各種データベースに変換することも可能です。また読み込んだデータについてもフィッティングやデータの間引き、FFT等、数十種類の演算を行えます。

 

【トヨタ様の事例】

データ解析の効率化もデータを活用して成果を挙げていく上での一つの重要なポイントになります。ここでトヨタ様の事例を紹介します。この事例は世界中における燃費規制がきっかけとなっています。燃費に関する規制がある国は、2010年の時点では4ヶ国。それが2015年には13ヶ国に増えその傾向は続いています。こうした状況に対応するために、製品側ではより複雑化/高度化が進み、エンジンを例にとれば、ハードウェアの部品数が増加するとともに、より高度な制御も必要になっています。その結果、現在では1つのエンジンを開発するために1500以上もの実験を行わなければならなくなっています。

こうした背景で実験数が膨大になり、必要な実験データを入手し、それらの整理/解析を行い、考察を加えて報告書を作成するまでの一連の作業業務時間も増加の一途をたどっていました。

事例ではDIAdemを標準ツールとして導入することにより、各部署が共通に使用できる解析環境を構築し

Microsoft社の「Excel」や、The MathWorks社の「MATLAB」、あるいは内製のツールなど様々なデータを統合、解析の部分を表示、レポートする工程の自動化に成功しています。結果として解析にかかる工数を対策前に比べて約50%削減することが可能となり、新規プロジェクトにチャレンジするための時間づくりに寄与しています

 

詳細はこちらの事例ページを御覧ください。

実験データの解析/管理にNI製品を採用したトヨタ自動車、工数の削減とデータの再活用を実現 - Solutions - National Instruments https://www.ni.com/en/solutions/transportation/case-studies/toyota-motors-reduces-man-hours-and-reut...

 

対策前のデータ解析スキーム3.png

対策後のデータ解析スキーム4.png

【おはなし、聞かせてください】

課題発見能力、ビジネス面との紐付けが最も重要なのは言うまでもありません。

ただしその先、ただしく長く使える道具を選んでいただくのも同じく重要です。NIでは過去20年様々な失敗や成功も含めて、知見をためています。お客様の解決されたい課題に対して適材適所のご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。


この記事を書いた人

阿部 敏朗

熊本県熊本市生まれ。茨城育ち。
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)にて九州、中四国地方を担当。

LabVIEWや製品が日に日に新しくなるので日々勉強しつつ活動しています。
趣味は毎日の食事、AI関連の記事をよむこと、温泉、ロングウォーキング。
ご相談・お問い合わせなどありましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。 

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