08-07-2019 09:38 PM - 編集済み 08-08-2019 09:01 PM
初めまして。日本NIの荒深(あらふか)です。東京都西部と神奈川県相模原市の技術営業をしております。
近年、開発・生産の効率化や生産性向上というキーワードはよく耳にするようになりましたが、効率化のための自動化・省人化について、
参考になる情報を今回はご紹介したいと思います。
開発部署の方は試作品の検査で、製造部門の方は量産品の検査でテストを行っているかと思います。その検査では、計測器に表示された
値を人間が目視し(場合によってはノートに転記し)、その値をパソコンに入力して検査データとして残している会社があります。
これは多くの会社で昔から採用されている人間の目による目視検査です。近年、お客様とお話しすると効率化したいと聞きますが、
目視検査は今でも多くの会社で行われております。では何故、今でも目視検査が行われているかをお客様に聞いてみると、
・人間の目に敵う検査方法を知らない
・自動化したいと思ったが、使用している機器では対応していなかった
・時間と人件費は掛かるが、力技でやれば何とか出来てしまっている
といった理由で、今でも人間による目視検査が行われています。ただし、これにはデメリットが伴います。具体的には、
(1)ヒューマンエラーによるバラつき
(2)イニシャルコストは安いが、中長期で見ると人件費が掛かりコスト高
最初に(1)のヒューマンエラーによるバラつきですが、これは人間の感覚で判定を行うので、その判断が人によって異なり、
会社として統一基準で判定がされないことです。また長時間検査の疲れによる判断基準の揺らぎがあります。次に(2)の
イニシャルコストは安いですが、確かに最初から人間による目視検査をすると、初期の開発費用は発生せず、既にいる社内の
人材を使うことができます。しかし、中長期で考えると(特に日本など先進国がそうですが)コスト高が目立ってきます。
そのため、人間が計測器に張り付いて目視検査を行っている現場で、カメラと画像処理を活用して自動化・省人化に役立つ
LabVIEWアプリケーションをご紹介します。現在、計測器や計器のデータを目視で確認し、パソコンに入力して検査データとして
残していると仮定します。
これと同等の事をLabVIEWとLabVIEWの画像処理ソフトであるVision開発モジュールで自動化が可能です。以下の例は
アナログメーターへの出力電圧値が、実際のアナログメーターが示す電圧値とどれぐらい差があり、その誤差が全ての範囲で
許容範囲内に収まっていれば、そのアナログメーターは正常に動作するメーターと判定されるという検査例になります。
以下の動画デモではアナログメーターだけでなく、デジタルメーターでも対応できることを示しております。
<デモ動画で使ったハードウエアセットアップ>
<デモ動画>
<アナログメーターの場合>
<デジタルメーターの場合>
上記のように人間による目視検査をLabVIEWで自動化することが可能で、人件費を含めた開発・製造コスト低減に貢献できると共に、
検査の質を向上することが可能です。こういった課題をお持ちのお客様がいらっしゃいましたら、是非、私共に連絡いただければと思います。
画像処理による自動検査は以下の検査でよく使われます。
・外観検査
・欠品検査
・異物検査
・粒子解析
・寸法測定(内径、外径、高さ)
・キズ・汚れの検査
・OCR(文字認識)
上記動画で使われているサンプルVI(バージョン2019)を添付しておりますので、以下の環境が揃っていれば試していただければと思います。
サンプルVIを実行するには以下の環境が必要です。
・LabVIEW 2019(開発システムもしくはプロフェッショナル開発システム)
・Vision開発モジュール 2019
・Vision Acquisition Software 19.0
・USB3.0カメラもしくはGigEカメラ(本例ではBasler製USB3.0モノクロカメラを使用)
・メーターを動かすためのアナログ出力デバイス(本例ではNI USB-6353を使用)
製品版をお持ちでない、もしくは過去バージョンのLabVIEWをお持ちのお客様は以下からバージョン2019(もしくはそれ以降)の
LabVIEW評価版をダウンロードの上、試していただければと思います。
LabVIEWダウンロード
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/software-products/download.labview.html#305931
Vision開発モジュール ダウンロード
Vision Acquisition Software ダウンロード
https://www.ni.com/ja-jp/support/downloads/drivers/download.vision-acquisition-software.html#305518
この記事を書いた人
荒深 容好(あらふか まさよし)
岐阜県山県市生まれ。高校卒業後は8年ほど大阪に住む。
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)にて東京都西部と神奈川県相模原市を担当。
F1が大好きで、F1レーサーになりたいと思い、カートレースを始めるも、そこまで速くない自分に気付き、
今はF1を見て楽しむF1ファン。好きなレーサーはアイルトン・セナ→ミカ・ハッキネン→ルイス・ハミルトンと
10年周期で変わっている。前職では消防車(主に救助工作車)を作っていた。
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