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【PXI】複雑化を遂げる世界のICトレンドにPXIシステムで立ち向かう!

 

「アレクサ,電気つけて!」

OK Google,暖房を23度に設定して!

 

スマートスピーカを代表として,家庭にも当然のように導入されるようになってきたIoT (= Internet of Things)デバイス。私の家にあるスマートスピーカ君は「ただいま!」と帰宅時に話しかけると今日のニュースを教えてくれるいいヤツです。

 

 

<見た目も美しいスマートスピーカ>

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日本NI技術部の米田(よねだ)です。今回は半導体のテストシステムについてご紹介したいと思います。

さてさて,スマートスピーカといった昨今のIoTトレンドに象徴されるように,世の中の様々なデバイスは急速なスマート化を迎えています。

このスマート化の流れは止まることを知らず,2025年には現在の2倍以上のIoTデバイスが普及していくと予想されています。

 

 

<今後,増加の一途を辿るIoT関連デバイス >

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そのような時代をときめくIoTデバイスの心臓とも言えるのが「ミックスドシグナルIC --- 特にミックスドシグナルICの代表例である「電源管理ICPMIC)」は携帯電話タブレット端末,自動車ECUなどシステム電力管理した変換したする使用する集積回路です。携帯電話など筐体内容積ハンドヘルデバイス使用れるよう電力PMICは,PCB上に直接実装され,デバイス電源/バッテリ複雑電子部品極めて重要橋渡しっており,以前のような単なる昇圧/降圧機能だけではなく,機能の複雑化が求められています。

技術革新とともに今後もさらなる複雑化が求められることでしょう。

そのようなICの製造テスト現場ではテスト項目の変化に応じて柔軟に対応できる拡張性の高いテストシステムが重要になると当社は考えております。

 

 

< PMICの変遷> 

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NIにおいては,信頼性要求が非常に高い半導体業界でもシェアを拡大しており,生産工程で必要なタクトタイム,ソフト・ハード含めた調達の一本化についても価値を認められています。NIPXIプラットフォームと自由度の高いテストシーケンスを構築できるLabVIEWといったソフトウェアを導入することにより,従来の箱型計測器に比べてより拡張性・保全性能の高い自動テストシステムを構築することが可能です

 

 

<低フットプリントで省スペース化に貢献するPXIシステム!!>

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下記ではPMIC基盤の検査を例とし,PXIに含まれる各モジュールについての紹介やPXIのテストプログラム構築までの道筋について簡単にご説明します!

今回は一般的なPMICの一例であるDC/DCパワーコンバータ電源変換回路使って,ある電圧レベルから電圧レベル直流電源アップコンバート/ダウンコンバートするIC)のテストシステムをSMUを用いたPXIシステムを構築することを想定します。

 

 

<テストシステムの一例>

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バッテリを電源として DC/DCコンバータ入力電圧入力する場合,多くエンジニア関心DC/DCコンバータ消費する電流向けます。とりわけ関心対象なるが,DC/DCコンバータシャットダウン電流静止電流です。

 

 上記のPXIで用いられているモジュールPXIe-4139精度ソースメジャーユニットは,DC/DCコンバータ電流消費テストすることに適しています。このモジュールは,DC/DCコンバータ入力接続電圧供給ながら,同時にDC/DCコンバータ引き込む電流計測できます。PXIe-4139は,チャンネル単価で考えると¥675,700円と比較的安価(多チャンネル製品であればさらにコストメリットが出ます。)かつ計測レンジ1 µA​​時に100 fA分解能電流計測でき,静止電流シャットダウン電流,ナノアンペアレベル漏れ電流特性評価十分計測能力ってます。

 

「いやいや・・・高度な計測ができるといってもPXIを動かすなんてLabVIEWなどプログラミングの高度な知識が必要なのでは??」

 

こちらの記事をご覧になられている方は弊社のDAQ製品を触られたご経験のある方も多いかと思いますが,DAQのプログラミングを行った方法と同じ要領でプログラミングを行っていただくことが可能です

下の図のようにLabVIEWからサンプルファインダを用いて,モジュールに対応したサンプルを検索し,サンプルをベースに実際に動かすことができるので,実際は動かすまでのハードルが非常に低いのです。

 

 

LabVIEW 2019 サンプルファインダでPXIe-4139のサンプルを検索!

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また最新のNI-DCPowerドライバソフトウェアには,プログラミングなしでPXIソースメジャーユニットを使いこなせる対話式ソフトフロントパネルが付属しています。実際にソフトフロントパネルを使用してPXIe-4139を用いて DC/DCコンバータの簡単なテストを行っている動画をみてみましょう!

 

 

<ソフトフロントパネルを操作している動画>

 

 

実際にLabVIEWを用いてDC/DCパワーコンバータのテストシーケンスを構築した様子が下記の動画になります。

映像内のBuck Voltage Controls部では,各Buckの出力電圧を変更でき,出力電圧を変更する操作を行うと,それに応じたパターンが実行されるようにプログラムされています。

Load Regulation部では,各Buckごとに,Buck Voltage Control部で指定した出力電圧の条件下の負荷応答,すなわち負荷が急激に変更した際の過渡応答を計測しています。

Efficiency部では,すべてのBuckの負荷に対する電源変換効率を一挙に計測しています。

 

 

LabVIEWでのデモ動画

 

 

最後にLabVIEWでアプリケーションを作成するための知識をご紹介します!

一般的にアプリケーションを構築する際には,目標とするアプリケーションに応じた「デザインパターン」を使用してプログラムを構築することにより,簡素さ・保守性・可読性の高いアプリケーションとすることができます。

上記のLabVIEWのデモ動画でも状況(今回はフロントパネルでの動作)に応じて処理を適宜変更するイベントベースの「ステートマシン」というデザインパターンの一つが用いられています。下記でステートマシンに関するリンクもご紹介しておりますので,アプリケーション構築際にお役立てください!

 

 

<イベントベースステートマシンプログラミングの概要>

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【LabVIEW スキルアップ】失敗しないプログラム構築のススメ - NI Community

https://forums.ni.com/t5/LabVIEW-Caf%C3%A9/LabVIEW-%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%83%E3%...

 

チュートリアル:ステートマシン - National Instruments

http://www.ni.com/tutorial/7595/ja/

 

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今回PXIについてのご紹介は以上になります。

PXIのシステムについて,さらにご興味持っていただけた場合下記の記事などもご覧いただければ幸いです。

弊社ではPXIに限らず様々なソリューションを提供しておりますので,解決されたい課題などあればぜひお気軽にご相談ください。

 

エレクトロニクス機能テスト - National Instruments

https://www.ni.com/ja-jp/innovations/electronics/automated-electronics-test.html

 

 

<参考文献>

State of the IoT 2018: Number of IoT devices now at 7B – Market accelerating

https://iot-analytics.com/state-of-the-iot-update-q1-q2-2018-number-of-iot-devices-now-7b/


この記事を書いた人

米田 実紀

大阪生まれ,兵庫育ち,京都へ進学した生粋の関西人。
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)にて,Technical Support Engineerとして幅広い業界のお客様への技術サポートやNIのソフトウェアトレーニング講師などを担当。
新しいもの好きで,昨日までなかった新しい技術の誕生を後押しするためにNIに入社。
現在の興味分野:機械学習,アグリテック,サッカー

ご相談・お問い合わせなどありましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

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